ナレッジベースの辛み
あれ
「有ったら良いは無くても良い」というのは、企業におけるナレッジベースの実情だろう。デカい企業であっても、マトモなナレッジベースを運営できている企業というのは未だ見たことがない。アクセンチュアとかはなんか良いやつを持ってるらしいが。
何が言いたいかと言うと、世の中の多くの人々は、「歩けば良いのだから自転車は要らない」という状態にある。しかしながら、ナレッジベースという奴の経済効果を説明するのは難しい。効果を財務的に説明できない。自転車はその速さが見ればわかるが、デライトの速さは少し見ただけでは分からない。
ナレッジベースは既存業務を効率化しない。すでに大量のデータをエクセルなどで管理している企業であっても、ほとんどの場合ナレッジベースがそのデータを扱う型とは一致しない。既存業務の効率化には適さない。
あれ
ナレッジベースは社内ルールの変更を助ける
IT技術の導入は必要だが十分ではない。社内の仕事のルールの変化を伴ってこそ真価を発揮する。
例えば、銀行が融資先の査定を自動化するシステムを作ったとする。査定業務に掛かる人件費が低減される。しかし、これだけでは十分ではない。この査定という業務の流れを変えてこそ巨大な便益をもたらす。すなわち、月に一回の査定というルール、もしくはそうした暗黙の共通認識が変えられなければならない。言い換えれば、査定を、毎日、融資した後も行ってこそ価値がある。査定にかかる時間が短縮されて融資する速度が上がり、時間あたりに貸した金が増えて儲かり、融資先の満足度が上がる。融資先の状況を追跡して貸したお金を取り損ねるのを防ぐ。追加融資の提案をどこよりも早くできる。
ナレッジベースは社内ルールの変更を助ける。
ナレッジベースに蓄積された業務知識・働く中で生じた違和感はどの社内ルールを変えるべきかの発見に役立つ。
社内ルールをどう変えるかを考えるためにも使える。社内ルールの検討の過程を記録して共有することすらできる。